Column

白馬八方尾根スキー場/ 「100活」という取り組み

エキスパートスキーヤーに高い人気を誇る長野県・白馬八方尾根スキー場。今シーズンも豊富な積雪に恵まれ、多くのスキーヤー&スノーボーダー、八方ファンで賑わっています。その一方で「八方は上手な人がスピードを出して滑っているから近寄りがたい」というイメージをもつ方がいるのも事実。

ゆっくりとクルージングを楽しみたい人や、中級者、ビギナー、シニアでも素晴らしい斜面を共有できるように、本邦初でスタートしたのが「100活ゲレンデ」という取り組み。

適度な斜度と距離で、圧雪カービングが気持ちのいいパノラマゲレンデ内に、ネットで区切られた「100活ゲレンデ」が2016-17シーズンに常設ゲレンデとしてオープン。安全・安心をコンセプトに、ルールは2つ。
「前を滑っている人を絶対に追い抜かない」。「スピードを追求しない」。
これさえ守れば、誰でも利用できるゾーンです。

ゲートにはスタッフが立ち、ひとりひとり間隔をあけて滑走するように管理。

ごくごくシンプルな提案ながらも、実際に滑走してみると、他の人を気にすることなく、自分のターンに集中ができ、なんとも快適なのです。特に週末など、混雑時には、スキー・スノーボードと滑走ラインの違う道具の混在と、レベルによって、人を縫うように滑らないとならないこともあります。そんなとき、このゲートをくぐれば、ストレスは無用。ひとりで集中することもできるし、スタートでスタッフに声をかければ夫妻ふたりで滑っても良いし、親子でゆっくり滑ってもOK。後ろから追突されることなく、クルージングを堪能できます。

今季の100活ゲレンデ終了の3月26日まで、のべ56,549人ものスキーヤー、スノーボーダーが利用し、大好評を得たとのこと。

この取り組みの背景には、65歳以上が国内人口の4分の1を超え、超高齢化社会に突入する時代のなかで、スキーを通して「100歳まで活き活き」をテーマに、その舞台を白馬八方尾根が提供しようというもの。

100活ゲレンデの他に、100活ランチや100活アーリーモーニング、またオフシーズンも100活トレッキングやセミナーなど、さまざまなライフワークを計画中。

今シーズンの100活ゲレンデは終了しましたが、白馬八方尾根は5月7日までのロング営業。これからは春スキーを満喫できる時期です。100活のプログラムもチェックしながら、春の白馬八方へ出かけてみては。

(写真/渡辺洋一 文/Stuben Magazine)

白馬八方尾根スキー場
http://www.happo-one.jp/

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